テレビは役目をはたして消えて行った。


人間で言えば老衰という部類に入るらしい。


「テレビはお前に毎日見てもらえて幸せだったと思うよ」


僕はカエルと本に熱いお茶をいれてそう言った。


「そうだといいけど……」


カエルはまだしゃくり上げている。


この町にきてからずっと一緒にいたテレビだ。


カエルにとっては親友みたいなものだったのかもしれないな。


僕はそう思い、熱いお茶をひと口飲んだ。


親友がいなくなるというのはとても悲しい事だ。