「あまり泣いているとテレビが浄化されないだろ」


本がそう言い、そっとカエルの背中を撫でた。


カエルは涙を流しながらもテレビから身を離す。


すると次の瞬間、真っ暗だったテレビ画面が不意に明るくなったのだ。


それは眩しいほどの光で、僕は目を細めた。


テレビ画面にはニッコリとほほ笑む女性の顔が浮かんでいた。


「カエルさん。最後まで私のテレビを見てくれてありがとう」


女性がそう言うと、テレビ画面は再び暗転し、テレビは光に包まれて消えて行ってしまったのだった。