その様子を見ていた僕は、胸に違和感を覚えていた。


「お前が捨てられたのはいつ頃なんだ?」


「ミサが小学校6年生の頃だ。1年前くらいかな」


「待てよ? その頃僕はミサの事を知らなかった。ミサと知り合ったのは中学に上がってからだ。それなのに、どうしてお前は僕の事を知ってるんだ?」


そう聞くと、本は目を丸くして僕を見つめた。


「もしかして、湖の事を知らないのか?」


「湖?」


僕は首をかしげる。