「その通り。その通りなんだ。だけどミサは知ってしまった。人の悪口を言えばいろんな友達が寄って来る。


人の悪口を言えば、みんなが笑う。人の悪口を言えばすぐに有名になれる……」


僕は本の話に大きなため息を吐き出した。


悲しいけれど、その通りだと思う。


人の不幸は蜜の味だ。


悪口は面白いものだという認識しか持てない人は沢山いる。


だから話はエスカレートしていって……。


僕はそこで考えるのをやめた。


真っ黒な悲しい感情を思い出してしまいそうになる。