「それで、僕の悪口を言いふらして笑い物にしたんだな」


僕がそう言うと、本の目から大粒の涙がこぼれ出した。


「ごめんなさい!」


本が目一杯頭を下げた。


「だから、お前は僕を見てビクビクしてたんだな。自分の持ち主が悪い事してしまったから……」


「そうです。ミサは自分がいじめられるようになってから俺を捨てた。クラスで笑いなんてとっても友達はできない。人気者にもなれないって言って……」


「だからって人の悪口を言っていいことにはならない」


本は僕の言葉に何度も何度も頷いた。