【お笑い魂】の本を読んだ影響で、カエルはお笑い番組を見るようになっていた。


僕が知らないお笑い芸人たちが白黒のテレビの中で動きまわっている。


けれどそれは今と違い、体を使ったようなネタはほとんど見られなかった。


「昔のお笑い芸人は頭ばかり使っていたようだな」


カエルがテレビを見ながらそう言った。


「まぁ、お笑いにも歴史があるからね。時代によって流行も移り変わっていったんだよ」


僕が一番好きなお笑いは、やっぱり【お笑い魂】が放送されていた時代だった。


体を使ったネタも多かったけれど、リズムネタに漫才にコントと、様々な芸人が幅広く出演していた。