本の間に挟まっているDVDを引き抜くと、それにも手足が生えていることがわかった。


しかし本とDVDは遠くまで離れることができないようで、2人で1つ、と言った状態だ。


僕が本を読み始めると、DVDは同じ部屋の中をぐるぐると歩き回っていた。


「少し落ち着いたらどうだ」


せわしなく動き回るDVDを見てカエルがそう言った。


動き回るDVDにテレビの邪魔をされて不満そうな顔をしている。


「いや、だって、ここ、いたら、まずいって」


DVDはそんな風にたどたどしい日本語を使う。