カエルが本の言葉を遮るようにしてそう言った。


本が途端に静かになる。


「その嘘もへたくそすぎてバレバレだけどね」


僕がそう言うと、手の中の本は悲しそうな表情をこちらへ向けて来た。


「本屋でルキを見た時から妙だと思っていたんだが、お前はルキを知っているのか?」


「そ、そんな! 僕が彼の事を知っているなんて、そんなこと……!」


嘘をつくのが苦手だからか、最後まで言うのをやめてしまった。


どうせすぐに見破られてしまうからだ。


「だけど僕はこの本を手に入れることはできなかったんだ。きっと君の思い違いだよ」


僕はそう言い、ニッコリとほほ笑んだのだった。