「ミミはお前との縁を繋ぐためにここに来た。言葉が話せるようになったミミは一生懸命ルキに想いを伝えようとした。不器用でも、その気持ちはわかっただろ?」


カエルに言われて、ミミが僕に何度も頭を下げて来たのを思い出した。


「その縁を、ルキは簡単に切ったんだ。だけどその縁を修復することもできる。言葉が通じる今の状態なら、きっとまだ間に合う」


カエルの声が聞こえる中、外で小雨が降り始める音が聞こえ始めていた。


僕は窓の外を見る。


真っ暗な夜の街に、雨が降り注いでいる。


今ならまだ間に合う。


ミミをこの家に招き入れる事ができる。


僕は弾かれたように立ち上がり、家を出たのだった。