「一階にはまだミミがいるんだろ?」


「ミミは帰った」


その言葉に僕は瞬きを繰り返した。


「帰ったって、どこに? ミミは家がないんだろ?」


「そうだ。だからいつも通りどこかの軒下に戻ったんだ」


「あ、そう……」


少しだけ心に引っかかるけれど、それならそれで別にかまわない。


僕は大きく欠伸をして頭をかいた。


「風呂に入ってくるよ」


僕はそう言い、カエルを押しのけて一階へと向かったのだった。