俺たちが到着する前に3陣である理流が乗り込んだらしい。3階建てだというビルの一階は既に死屍累々という様子で,人がうずくまっている。

そこには当然紫蛇のやつが多いがウチのやつらもいるだろう。

「ウチのやつら全員外に出せ」

「ハイ!」

俺と一緒に来た4陣のメンバーにそう伝えて,武器を持ってないやつらはチームメイトの介抱に向かった。倉庫まで帰れなくともバイクを置いた公園は今日は警察にとやかく言われないはずだ。あそこまで行けば介抱できる。


「…倉本んとこ行くぞ」


上の方からは鉄パイプの音が聞こえるからまだやっているんだろう。俺も混ざりてえ…


最後の力と言わんばかりに果敢に殴り掛かってくるやつもいたが,既にボロボロにやられている。そんな奴の拳を食らうはずもなく,俺は部屋の奥の階段に向かって一直線に進んだ。




「ゥオラァァアア!」


龍毅と舜が絶好調だ。2階では何やら楽しそうに二人が無双していた。

「悠唏!倉本上行った!」


階段近くには理流がいた。鉄パイプを素手でつかんでるがもしかして素手で受け止めたのか…?マジか,やるな。


「おう」


俺もこの喧騒に紛れて向かってくる敵をなぎ倒しながら上を目指した。


「クッソォオオ」

カーンッ!と鉄パイプのうるさい音がする。

俺たちが持ってきたものも紫蛇のやつらは奪い取って使っている。こっちの奴らもそうだ。ここにあったのであろうものも使っている。それは想定の範囲内。

辺りに,ウチのやつで動けなくなってる奴は今のところいないか…


2階も制圧するのにそんなに時間はかからないだろう。

最近暴れていなかった鬱憤を晴らすように龍毅と舜が暴れている。

ここを抑える頃には最後の僚たちが来るはずだ。


俺は動けそうなやつを何人か連れて階段を上がった。