事の発端は、約2週間前だ。

休み時間にトイレへと向かった時、遅めの登校をして来た阿須賀と鉢合わせをしてしまった。

そして、それから毎日のように付き纏われている。

同じクラスでもない癖に、授業中だろうが関係なく居る。

前の席は、もう阿須賀の席と化してるくらいだ。

教師も、クラスメイトも、誰も阿須賀に注意しない。

何なの?

口を聞かなければ諦めるだろうと思っていたが、一向に諦める兆しはない。

阿須賀のメンタルの強さに、こっちが根負けそうだ。

あたしは、小さなため息をつく。


「蓮見~、今日・・・」


そんなあたしの元に、千郷がやって来る。

でも阿須賀のことを見て、会話を途中で止めた。


「なんで、阿須賀?」

「おぅ、千郷」


阿須賀は、千郷に挨拶をした。