そんなことを言う悠斗さんに私は言った。

「麻里花にも直ぐに懐いたから、悠斗さんもきっと大丈夫ですよ」

そう言い切る。

だって、あの双子は美しいもの可愛いものには目がないのだ。
あとは、甘いものでも用意しておけば問題なく顔合わせは終了するだろう。

そう考えての言葉に、悠斗さんは少し不思議そうに聞いてきた。

「かなり根拠と自信を持てるような言い方だったね?」

そんな疑問に私はサラッと答える。

「小さい頃にも会ってるし。麻里花のことが大好きだから、そのお兄ちゃんの悠斗さんにもすぐ懐くよ」

微笑んで言えば、悠斗さんはやっと肩の力が抜けたみたい。
これで安心である。

とにかく、週末のために準備を始めるのだった。
私も一旦帰るべく荷物をまとめようとカバンを取り出し、荷物を詰めようとした矢先。
そんな私に気づいた悠斗さんが、慌ててストップをかけに来た。

曰く、こうである。

「二日後、挨拶して両家の反対もなければこのまま住むんでもらうから、荷物はまとめなくていいでしょ!ね?分かった?」

そう少しキツめの口調で、止められた。
悠斗さんから見ると、この帰る準備はいただけなかったようだ。

「9割の確率でこのまま同棲続行だから、荷物はまとめなくていいよ」

ニッコリと笑う悠斗さんの顔は、考えに自信を持った策士のような感じだった。
きっと、両家の親も上手いこと含められてこのままになりそうなのは私もうすうす感じていた。

なんだかんだ、私も帰るより一緒にいたいから。
準備するのをやめたのだった。