昼過ぎに目覚めて驚く。
昨夜遅かったとはいえ、こんなに寝過ごしたのは何時ぶりだろう。
それくらい、自分は強いと自負していただけにこの時刻の起床に少し自信を失う。

ベッドで、時計の時刻に呆然としていたら寝室のドアが開く。

「おはよう、梨乃。疲れてたんだね。昨日はいつになくはしゃいでたから。こんな時間だから朝昼兼用だけどご飯出来たから支度しておいで」

ニッコリ笑顔で告げたあと、悠斗さんはドアを閉じて居間へと戻って行った。

すっかり、朝の準備を任せてしまったことにガックリしつつも私はパタパタと動き出した。

そうして身だしなみを整えると、今に顔を出した。

「悠斗さん、ありがとう。でも起きる時に一緒に起こしてくれても良かったのに」

ちょっと恨みがましくひと言告げると、悠斗さんはクスッと笑って言った。

「だって、気持ちよさそうに寝ている梨乃を起こせないよ。ちょっと寝顔眺めていたけれど、可愛くて仕方なかった」

それは蕩けるような笑みを浮かべる悠斗さんに、私はタジタジになった。

ホント、その顔で甘いこと連発するのは卑怯だと思う。
私は、真っ赤になりつつ悠斗さんが用意してくれたプレートランチを堪能することにした。

彩り良く盛られたプレートには野菜にウインナー、スクランブルエッグにコンソメスープ、バターロールという洋風なご飯だった。

そこにさらに小盛のパスタも添えられてて、贅沢なランチみたいになっていた。

ほんと、大雑把と言いつつこんなに用意してくれるのだから頭が上がらないのであった。
いろんな意味で……。