そう、カフェから出てすこし館内をブラブラしていた。
私は自分の好きなブランドのお洋服屋さんのディスプレイを眺めて、そのコーディネートに惹かれていた。

止まった私の視線の先に気づいた悠斗さんは、私と一緒に店内へとためらい無く入っていく。

びっくりしているうちに、ディスプレイに使われている洋服のコーナーに行き気になっていた商品の色違いなんかも見始めて……

「梨乃にはこっちの色のが合いそうだよ」

気になていたのはシフォンのフレアスカート。
お店の前には今年流行の黄色が着せられていたが、悠斗さんが手にいているのはターコイズブルーのシフォンスカート。
確かにこの色の方が私の好み……。

って、服買いたくて見てたわけじゃないのに!!

「これ、似合うと思うから買ってこう!あと、このシャツもこれに合わせたらいいよね」

そこには花の刺繍の入った白のシャツ。
確かにスカートとの相性も良さそうだが!
だから、見るだけでいいのに!!

しかし、悠斗さんはご機嫌でそれらを持ったままレジでサクッとお買い上げしてしまったのだった……。

こんな所にも、仕事やらで培った判断力と行動力が出るなんて。

この一連のお買い物で見つめすぎ厳禁が私の心のメモに書き記されたのだった。

この人油断大敵なのだ。

そうして、その後は何とか必要そうなものだけに留めてスーパーで食材の買い出しをして帰宅した。

有意義だけど、また買われてしまったということに少しだけ凹んでいたら帰りの車で悠斗さんが聞いてきた。