着いた階の角の部屋が我が家だ。

鍵を開けてドアを開き、玄関の電気を付ける。

「どうぞ、上がってください」

そう言ってリビングまで行きそこも電気をつけて、キッチンに入る。

「いま、お茶入れますね!」

声をかけて、手早くお茶の準備をして悠斗さんに出す。

「いま、荷物まとめてきますから。ちょっと待っててくださいね!」

ニコッと言ったら、悠斗さんはクスリと笑いつつ言う。

「梨乃、口調」

クスクスと返された言葉に、あっと私が表情を変えれば悠斗さんはニヤリと笑う。

「あー、ごめんなさい!でも難しいんだもん」

「ホント、徐々にだな。分かったよ。準備しておいで」

悠斗さんに言われて私は慌ただしく自室に行き、大きめのバックに下着や部屋着や普通に洋服などを詰めた。
さらに化粧品等の普段使ってるものも、持っていくことにした。

最後にいつも枕元で使ってるスマホの充電器を入れて終了。

リビングに大きめのボストンバッグ一つで戻ると、悠斗さんが驚いた顔をする。

「え?それで全部?梨乃荷物それだけで平気なの?お盆休み中ご両親が来るまで返す気ないけど」

とサラっと言われて、わかっててこの荷物なのだけれどなと思うので首をかしげつつ答えた。

「え??ほんの二~三日かなと思ってたんだけれど。伸びても三日分あれば洗濯すれば着まわせるよね?」

そんな私に悠斗さんはニヤリと笑うと聞いてきた。

「デート用の可愛い服は?」

「あ!!」