和やかに食事も済み、食後のお茶を皆で飲んでいると

「それで、式はいつにするんだい?」

「あら、それより梨乃ちゃんのご家族との顔合わせが先でしょう?」

あやうくお茶を噴き出すのをかろうじて免れたものの、変なところに入って咳き込むハメに。

「ゴッホ、ゴホッ…」

噎せた私の背中を悠斗さんが撫でてくれる。

「父さん母さん、結婚前提の付き合いを申し込んで了承してくれたけれどプロポーズはまだだから、少し気が早いかな?」

そうにこやかに返す悠斗さん。

「なんだ、まだなのか?長年の片想いがやっと実ったからもういっそ、即結婚だと思っていたが」

真面目な顔して健一さんが言っている言葉に目が点になる。

「ホントよ、悠斗はいい歳だからもうサクッと話を通して入籍は近々と思ってたわ。その前にご挨拶しないとと思ってたのに」
桜ママもサラっと言ってるけれど!!

「桜ママも健一おじさんも、悠斗さんの気持ちをご存知だったんですか?」

思わず問いかけると、桜ママが返事をしてくれた。

「えぇ、だって梨乃ちゃんを麻里花が連れてくる時は必ず会えるように悠斗は家に居たり、早く帰ってきたりしていたもの。悠斗自体その態度や気持ちを私達には隠してなかったから」

そうあっさりと言われてしまった。
え?それって私だけ気づいてなかった的な事?!