苦笑しつつも説明すれば、すっかり双子の話題で盛り上がってしまった。

「麻里花は最初呼ぶつもりでいたんですが、こんな訳で連れてこない事にしたんですよ」

「そうか、それなら写真送ってと頼むのも分かるな。よろしく伝えておいてくれ」

そう言ってくれた彩人さんに、頷いて答える。

「えぇ、伝えておきます」
そう、双子の事もあり自然と微笑んで答えた。

「あら、そろそろ時間ね!彩人くん挨拶しよう!」

時計を見て動き出した麻里花と彩人さん。

私も時計を見ると確かにそろそろお開きの時間だった。

「楽しい時間はあっという間ですね」

そんな私のつぶやきに、隣に残っていた悠斗さんが答えてくれる。

「そうだね、2人とも幸せそうでなによりだよ」
そう答えた悠斗さんは、優しい顔をしている。


「それじゃあ、私は先に出ます」
「あれ?最後まで……」

帰り支度をして、出口を向かう私に声をかけてくれた悠斗さんににっこりと笑って言う。

「双子がお土産待ってるので買って帰らないといけませんから。では、また会社で」

そう挨拶して離れようとしたら、腕を掴まれた。

「梨乃ちゃん、近々2人で会えないかな?」

急に真剣な顔の悠斗さんにそう誘われた。
予想外だけれど、私もそろそろこの片想いに踏ん切りを付けたかったので了承する事にした。


「えぇ、良いですよ。連絡先は麻里花に聞いてください」
「分かった……。気を付けてね」

そうして急いでいたので別れた。
不意に掴まれた腕が熱い……。

なんとか火照りそうな頬を治めながら、私は双子にお土産のケーキを買って帰った。