「葵。」

「ん、なっ…………。」

朱雀がいきなりキスしてきた。
これは何か嫌なことがあった、ということだ。
体がふわっと宙にあがる。
自分がお姫様抱っこをされている、ということに気づく。

「寝室に行っても?」

「……はいはい。」

いつもなら、確認なんてしないのに。