ココまでは、順調で・・・治療の成功まではよかった。

しかし彼女は、その治療の過程で、王子に纏わる大きな秘密に気づいてしまったのだ。

解毒剤のレシピから、ユリアはなんとなく、

殿下=×男性
殿下=○女

とい疑念が沸いていた。

図式的にはありえないことなのだけど、薬の処方箋を見ると、どうしてもそこに結論が至ってしまうわけで、

彼女は悶々としていた・・・。

そしてその予想は、結局、王子の看護をしていた際に、垣間見ることとなり・・・。

結果、王太子に纏わる秘密を知ることとなってしまったのである


暗殺で倒れた王子は・・・実は女性。

名を、シュラザード・マリア・フォン・アステリアといった。

この国の第一王女で、王太子の双子の妹。

そして、本当の王太子は・・・、ユリアの前に現れ、王子付き秘書官を名乗ったクラウスだった。

彼の本名は、ゼノキウス・クラウス・フォン・アステリア。

この国の国政全般を取り仕切る、この国の王太子であった。