そんなあたしなんてお構い無しに淳太君は彼女に告げる。 「お前ももう会いたくないって言っただろ? 俺も別に会わなくてもいい」 彼女は顔を真っ赤にし、あたしを斬りかかるような勢いで睨んだ。 その清楚な身なりからは想像がつかないほどの殺気に満ちた視線だった。 そして、踵を返して行ってしまう。 そんな女性の後ろ姿を見送りながら、ようやく淳太君の腕を振り払った。 あたしは、震える声で淳太君に言う。 「ちょっと、なに変なこと言ってるの? あたし、淳太君と付き合ってるって勘違いされたじゃん!」