あたしは彼女を知っている。
忘れもしないあの地獄のような日、あたしは彼女に会った。
彼女は淳太君と甘く激しい時間を過ごし、部屋の中に放心状態で突っ立っているあたしを見て、淳太君に張り手を食らわせたあの女だ。
あの妖艶な声と物音を思い出して真っ赤になる。
淳太君の隣に立つことすら恥ずかしい。
一刻も早くこの場を去りたい!
「淳太……やっぱり……」
彼女は刺すような目であたしを見た後、淳太君を見上げて涙を浮かべる。
きっとこの人もあたしを見て、「社会人デビューめ」なんて思ったのかもしれない。
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