長い聞き取り調査が終わり、
「ありがとうございました」
頭を下げるあたし。
何とか無事に終わった。
あとは、赤木さんに何も言われないように資料を作らないと!
そんなことで頭がいっぱいのあたしの耳に、
「……淳太!?」
女性の声が聞こえた。
その声の女性を見て……逃げ出したくなった。
女性は落ち着いたニットに、ふわっとした膝丈のスカートをはいていた。
そしてその髪は緩く巻いてある。
大きな瞳で淳太君とあたしを交互に見る。
その視線に怯え、思わず言いそうになる。
「違います、違います!」と。
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