「でも……あたし、あんなに流暢な英語もフランス語も話せない」 苦し紛れに言うと、 「お前東大のくせに馬鹿だな。 俺は帰国子女だ」 淳太君はさらっと言う。 その言葉に、 「きっ……帰国子女!?」 あたしは飛び上がっていた。 淳太君って帰国子女だったの? そんなこと、全然知らなかった。 淳太君はあたしを見て、のび華のくせにうるせぇなと言う。 そんな憎ったらしい文句も、今のあたしには気にならなかった。