我ながらキャプテンなんてびっくりだ。
ただ、あたしがキャプテンになった理由は一つ。
みんな、やりたくなかったからだ。
……なんてこと、口が裂けても言わない。
あたしの意外な自己紹介にざわっとするオフィス。
これでいい、これでいいんだ!
だが、やっぱり神様は味方してくれない。
ほっと胸を撫で下ろすあたしに、部長は聞いた。
「出身大学は?」
「えっと……」
みんなの視線が気になる。
あたしは俯いて、小さい声で呟いた。
「東京大学です……」
案の定、部屋の中がざわっとした。
だけどさっきの「ざわっ」とは違うもの。
やっぱりな、こいつ東大か。
頭いい女とか、恋愛対象外なんだよな。
そんな言葉が頭をよぎった。



