淳太君は静かにあたしに告げる。




「三年後……まだお前が俺を好きだったら、俺はお前を離さない」





顔を上げると、涙の向こうに淳太君の優しくて切ない笑顔が見えた。

不敵で傲慢な淳太君の泣きそうな顔に、胸がさらに悲鳴を上げる。





「三年後、絶対に桃華を迎えに行く」



「……うん」




あたしは、淳太君の動かない左手の小指に、そっと小指をかける。

まるで切れない鎖のように指と指が引っ張り合う。

指を絡ませたまま、淳太君を見て笑っていた。