「あの頃は柊君が守ってくれましたから」 「そうだね。戸崎柊は桃華ちゃんを妹のように可愛がっていたよね」 そうなのだ。 柊君はあたしを妹のように可愛いがってくれていた。 つまり、恋愛感情は皆無だということだ。 昔はその事実に酷く落ち込んでいた。 晴哉さんは相変わらず人のいい笑顔で続ける。 「たださ…… 意外な話なんだけど、淳太も桃華ちゃんのこと、すごく大切にしていたんだよ?」 思わぬ言葉に、 「え!?」 あたしは大きな声を出していた。