「僕は桃華ちゃんと同じマンションではなかったから、記憶に残っていないのかな。
それとも、淳太の腰巾着だったからかな」
「……淳太君の、腰巾着?」
思わず聞き返した。
そんなあたしに晴哉さんは告げる。
相変わらず静かに穏やかに話してくれるのだが、その表情はどこか切なげだった。
「僕は小学生の頃、仲良しの淳太と一緒になって、桃華ちゃんをいじめていた」
「……え!?」
開いた口が塞がらない。
晴哉さんが、淳太君と一緒になってあたしをいじめていたの?
昔のことなのに、軽いショックを受ける。
今の晴哉さんは、いじめっ子とは程遠いのに。



