サッカー観戦を終え、晴哉さんとスタジアムを出る。
「戸崎選手、かっこよかったですね」
そんなことを告げながらも、あたしの胸は早鐘を打っている。
それはもちろん、柊君のことを考えているわけではない。
そして今は、淳太君のことでもない。
どうやって晴哉さんに別れを切り出そう、そんなことばかり考えてしまうのだ。
あたしの胸の内なんて知らない晴哉さんは、
「桃華ちゃん、少し休んで行こう」
スタジアム近くのカフェにあたしを招き入れる。
その席に座り、いよいよ別れを告げないといけないと思ってしまった。
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