悩ましげに眉をひそめていたあたしに、 「ほぉー。綺麗な母子愛だな」 大っ嫌いな声が聞こえた。 大っ嫌いな声のはずなのに、胸がきゅんと変な音を立てる。 「うるさいな」 そう振り向いた先に、奴は立っていた。 素敵スーツではなくて、よれた部屋着のTシャツを着て。 そんな淳太君を思いっきり睨む。 だけど、のび華の睨みなんてジャイ太には効果がないようで、 「お前が母親に頼まなくてもいいんじゃね?」 なんて言う。 そんな意外な言葉を吐いた淳太君をじーっと見ていた。