淳太君のことにお母さんのことに、色々考えているうちにこの日の勤務も終わった。
こんな日は残業する気にもなれず、そそくさと家に帰る。
淳太君も早く帰ってくるかもしれない。
淳太君が帰ってきたら、部屋から出てやらないから。
なんて思いながらも、やっぱりお母さんのことが気になった。
お母さんは仕事を頑張りすぎだ。
身体を壊して泣く泣く仕事を断っているのではないかという、悪い想像が頭をよぎる。
あたしは震える手で、お母さんの携帯に電話をかけていた。
短い着信音の後に、お母さんが電話に出る。
いつも通りの元気な声でホッとした。



