それにしても、オフィスでの淳太君は別人だ。
あたしを貶したりしないし、むしろ助けてくれる。
どうしてだろう、なんてのんきなことを考えていたあたしに、鮎川さんが衝撃的なことを教えてくれた。
「『SAKURA』シリーズのイメージキャラクター、新沢咲良の契約更新が出来ないかもしれなくて」
ビクッと飛び上がるあたし。
ここへきて、またお母さんの話!?
だけど努めて平静を装う。
仕事にはお母さんなんて関係ないのだから。
「ウチとしては、何としても新沢さんにイメージキャラクターを続けてもらいたいんだけど、新沢さんが嫌がっているみたいで」
「……どうしてですか?」
そう聞くと、鮎川さんは分からないと首を振った。



