オフィスに帰ると、なんだか赤木さんがせかせかしていた。 頭を抱えて行ったり来たりしている。 明らかにおかしい雰囲気だが、赤木さんが怖くて聞けなくて。 もしかして、あたしが重大なミスをしてしまったのかと思ったりもした。 だが、赤木さんはあたしなんかの存在は目に入らないらしく、多部署へ電話したりしている。 ぽかーんと赤木さんを見ていると、いつの間にか淳太君もデスクに戻っていて、 「気にしなくていいんじゃね?」 あたしに告げる。