「あっ……あたし、やっぱり……」
帰る。
そう言おうとしたあたしの手を、いじめっ子の顔のまま握る淳太君。
急にあたしを掴んだその手は、予想以上に大きくて強くて男の人の手だと思ってしまう。
だけどもちろんドキドキなんてするはずもなくて、
「のび華と同居なんて楽しいな」
淳太君はおかしそうに言う。
「どっ……同居!?」
思わず素っ頓狂な声をあげたあたしに、淳太君は勝ち誇ったように言う。
「だって、ここお前の家なんだろ?
お前の家でもあるし、俺の家でもある」
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