晴哉さんの携帯に電話をかけると、すぐに彼は出た。 「あ、桃華ちゃん。もう仕事終わったの?」 「はい、今終わりました。 ご迷惑をおかけしてごめんなさい」 電話越しに謝るあたし。 携帯を耳に付けたまま、深々とお辞儀をしていた。 そんなあたしに、相変わらず優しい晴哉さんは告げる。 「良かった。 それなら少し遅いけど、食事でも行く?」 その言葉が嬉しくて、あたしは携帯を耳に当て、にっこり笑いながら頷いていた。