キーンコーンカーンコーン
次の授業は、大嫌いな数学。
(あぁ帰りたい。)
そう言えば、先生が新しく変わるんだった。
どんな人だろう。
男の先生かな、女の先生かな。
ガラガラガラ
教室のドアが開く。
「じゃあとりあえず号令お願いしまーす。」
メガネを掛けた若い人だった。
『起立、気を付け、礼。
お願いします。』
礼をした生徒は数人しかいない適当な挨拶。
「えーっと、今年から数学を担当します大北光輝です。よろしくー。」
出だしから思ってたけど、この先生軽っ…。
「じゃあ先に出欠とるわー。
…安倍。…石川。…遠藤。………。」
もうすぐ名前を呼ばれるから咳払いをして、声の調子を整える。
「鈴木…結華(ユイカ)。」
「えっ…あ、はい。」