「おせーよ。行くぞ」



「あ、ま、待って!」



先に歩いて行っちゃう空くんのあとを、早足で付いて行く。




もしあたしが空くんの彼女になれたら、
きっと歩幅を合わせてくれて、手を繋いで笑いながら登校できるんだろうな。



そんなことを考えながら、空くんの隣を歩く。



「はぁ、そういえば今日数学小テストだよな」



「赤点取ったら補習って、先生言ってた」



「え、マジかよ」



あたしたちの距離は、腕一本分。



伸ばせば触れられるのに、そんな勇気はない。