え……? あたし触られ……。 「謙」 触られる。 そう目を閉じた瞬間にきこえた声。 そーっと目を開けると、無表情で長澤くんの手を掴む佐々木くんがそこにいて。 「佐々木、くん……?」 「まだ検査が残ってる。何サボってんだ」 「え、この子とお喋り……」 「いいから早くしろ」 あたしに何か言うわけでもなく、佐々木くんは長澤くんを引っ張って行ってしまった。 ……な、何だったんだろう……?