その笑顔にあたしはいつも負けてしまう。



敵わないな……好きな人って。



「う、うん……」



持っていたペンを置いて、あたしはゆっくりと空くんのいるベッドに向かう。



ベッドの前に立つと、ここにおいでと空くんが自分の隣を手でぽんぽんと叩いた。



何も言えずにそこに腰を下ろすと、ゆっくりと抱きしめられる。



いや、抱きしめられてるっていうかなんか……。



「風花は本当、俺の抱き枕だな」



ドキンドキンと高鳴る胸は、空くんにそう言われて落ち着いた。