甘きゅん恋愛のすすめ




「その人の自然な髪色かどうか、だよ。なに、僕の髪色似合ってないって言いたいの?」



にっこり微笑む長澤くんだけど、その目は笑っていない。



「…………っ」



少し離れていたあたしにでもわかった。



ああ、これ以上この話をしてはいけないなって。



「ーーこの話は以上だ。七瀬、来週までにボタンをつけてくるように」



やりとりの一部始終を見ていた佐々木くんが、ふたりの会話に終止符を打つ。



「……ああ」



これ以上何も言わず、空くんはその場に座った。