「……あれ、本当に佐々木くん?」
「ね、だから言ったでしょ」
昨日の愛菜ちゃんの反応、納得しました。
あたしが昨日見た佐々木くんは、人違いだったのかも。
というか、都合のいい夢を見てただけだったりして……。
女の子達はまだキャーキャー言ってる様子。
すると、ステージ袖に引いたはずの佐々木くんがまた出てきて、マイクを掴んだ。
「騒がしいところ悪いけど、服装の乱れは整えてもらいたい。規則違反をされると、こっちの仕事が増えるので」
低い声できっぱりと言い放ち、騒いでいた女の子たちを睨みつける佐々木くん。

