「ううん。それ以上、何もいらないよ」


まっすぐ洸太くんを見つめて、口を伝って出た言葉。


あたしの本音。それ以上必要なものなんてあるわけない。


「だったらそれでいいんだよ」


「うん」


「風花、大好きだよ」


「あたしも、大好きだよーーー………」


洸太くんからの、優しいキス。
洸太くんからもらったたくさんのもの。


これから時間をかけて、ずっと洸太くんのそばで。
少しずつあたしも返していきたいな。


「風花、手出して」


「え?」


突然のことに何も考えずに出した右手に、洸太くんの右手が重なった。