「あー、そういえばさ、」
「ん?」
「洸太のこと、終わりにできたから」
クッキーの箱をラッピングしていた手が止まる。
ゆっくりと合ったその目は、少し涙に濡れているようだった。
「………わたしのせい?」
「え?」
「わたしがあんなこと言ったから………」
「違うよ」
少し震えていた姉さんの手の上に、ゆっくりと手を置く。
「僕の中で、ちゃんと折り合いがついた。だから今日来たんだ」
じゃなきゃ拒絶された姉さんのところに、わざわざ自分から来るわけない。
ずっと来ることができない場所になってしまっていた。
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