さっきの洸太との会話のあと。
何となく、ここに行かなきゃと思ったんだ。


「モンブランあるわよ、食べる?」


「ああ、うん」


「譲の好きな紅茶もいれてあげる」


テキパキと動く姉さんを、ぼーっと眺める。
好きなんだな、この仕事。


「連絡くれてたら、もっと豪華なの用意したんだからね!」


そう言いながら、美味しそうなモンブランと、可愛いカップに入った紅茶を僕の前に置いてくれた。


「ありがとう」


「どーぞ、召し上がれ」


そう言い残して、奥の席にいたお客さんに呼ばれて姉さんは行ってしまった。