「俺のわがまま聞いてくれて嬉しい。これ以上は、風花のペースに合わせるからね」


「うん………」


初めての両思い、初めての彼氏、初めてのキス。


あたしにとっては何もかも初めてで、いっぱいいっぱいで、このあと食べた物は味がしなかった。


ご飯を食べてお話をして。
手を繋いで、空を見上げると、ドンッと花火が上がった。


ドキドキ心臓はうるさいのに、洸太くんの隣は心地よくて。


「綺麗だね」


「うん、すごく綺麗………」


今まで花火を見たことはたくさんあるけど。
洸太くんの隣で見た花火が、一番綺麗だと思った。