「あ、あたしとしたいと思ってくれてるの………?」


今まで両思いの恋愛なんてしたことないし、ましてやキスなんて初めてなあたし。


好きな人に恋愛対象に見てもらえなかった過去が、こんなときにチラついてあたしの邪魔をする。


「当たり前だよ。好きだから、したい。俺は風花とキスしたいって思ってるよ」


そんなあたしにも、真っ直ぐ伝えてくれる洸太くん。


ああ、好きだな………。


「うん………あたしも、したいです」


「よかった」


返事をするとすぐに、触れるか触れないかのキス。
真っ暗だから、きっと周りの人には見えていない。


それだけでかぁっと赤くなるあたしの頭を、洸太くんが優しく撫でる。