「………佐々木くん」


「ん?」


「夏祭りとか、よく来てたの?」


聞くべきじゃないって思った。
佐々木くんだって過去のことを思い出したくないかもしれないし、あたしだって知って傷つくかもしれない。


でも、聞かずにはいられなかった。
佐々木くんのことなら何でも知りたいし、
モヤモヤしたままじゃ楽しめないと思ったから。


「んーーー………記憶に残ってるくらいでは、ないかな」


「え?」


「俺、暑いのだめなんだ、ごめんね」


「ええ?じゃあ何で今日………」


聞いてる途中で、佐々木くんの指があたしの口に触れた。