「あ、えっと………」
「ゆっくりでいいから。話したいことを話して」
「う、うん………」
優しい空気が、あたしを包み込む。
ガヤガヤとした食堂の中でも、2人だけの空間みたい。
長澤くんも絡んでくるのをやめて、ご飯を食べ始めた。
なんだかんだ、長澤くんも優しい。
いや、もちろんあたしのためじゃなくて、佐々木くんのためなのかもしれないけどね。
「あの、今度、どこかに行かないかなと思って」
何とか絞り出した言葉。
たくさん考えて、決めたこと。
「………それは、2人で?」
佐々木くんの言葉に、コクリと頷く。

