「じゃあ、それ以外は何があるの?」


「………別に」


「えっ?あ、ちょっと空くん?」


無理やり会話を終わらせるように歩いていく空くんに、あたしは慌てて着いていく。


いつもそうだったな。
あたしは空くんの後ろを追いかけて。


空くんがあたしの歩幅に合わせてくれることもなくて。なんだか悲しくなって。


ずっとあたしは空くんの抱き枕なんだって思ってた。


空くんのことがずっと好きだったし、本当に辛かったな。


でも、今は違う。
あたしのことを考えてくれる、心から好きな人がいる。


それがどんなに幸せなことか、知ることができた。