長澤譲、17歳、現在の僕。


「………最近、仲良くなったんだよね」


風紀委員会室、委員会活動の作業をしていた洸太の手が止まる。


「………誰と」


はは、動揺してる、わかりやすい。
何年見てきたと思ってるんだ。


ずっと近くで見てきたから、洸太のことは何でもわかるよ。



「小森ちゃんだよ。本当、ふわ子みたいだね」


風紀委員室にたびたび姿を現す、グレーの猫のふわ子。


洸太が可愛がってる、ふわ子だよ。


「………手、出すなよ」


静かに、僕の目を洸太が捉える。
しっかり威嚇してる、僕なんかに。